君が教えてくれた空
それはセミの声が騒がしくなり続け、クラクラするほど暑い、夏の日の事。
「芽生、お前…俺の彼女になれ。」
いつもと同じ昼休みの屋上で、俺は唐突にそう言った。
案の定芽生は固まってる。
きっと意味がわかってないんだろう。
「…あー、ん?湊、大丈夫?暑さにやられちゃった?」
最近分かったこと。
こいつ、慣れた相手だと結構強気だ。
「いや、やられてねぇよ。
俺の女になれって言ってんの。
あ、拒否権ねーから。」
「は、はぁ?意味わかんない。
なんていう上から目線なのよ!!
それに湊女の子苦手でしょ?」
口も悪い。
「苦手じゃなくて嫌いなの。
付き合うって言っても本気じゃねーよ?
仮だよ、仮。」
「…?」
そして、バカだ。