私を惚れさせて。私の虜になって。
「い、いくよ」

せーちゃんは、右手を拳にする。

あぁ、殴る気か。

殴りたいんなら、そうすればいい。

思いっきり殴って、しばらく右手痛めて、勉強できなくなっちゃえばいい。

「殴るんなら…早くしなよ!」

怖いんじゃない。

大事な塾の時間が短くなっちゃうから。

「んっ…っ」

そりゃあ、痛いよ。

「じゃあ次」

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