私を惚れさせて。私の虜になって。
思わず顔を上げる。

机の上には、スーパーで売っている氷の袋。

「帰るまで5時間あるから、こうしてればよくなるだろ」

「…ありがと」

わざわざ、こんなことまで。

「どこまで買ってきたの?」

「一駅向こうのスーパー。チャリで」

松木は、どこまでも優しい。

「ありがと」

素直にそれを受け取った。



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