私を惚れさせて。私の虜になって。
「うん。勉強しよ」

わたしはそう言って、筆箱を開いた。

「おう…」

何か腑に落ちない顔をしながら、まーくんも机に向かった。

「俊くん鬼畜だぜ…」

「俊くんだったんだー」

「俊くんまじ嫌いになる」

何があったんだか。

「俺、その鬼畜な俊くんに4時間だよ。今から」

「おつじゃん。その間に飯食ってくるから、俺ら」

「え?」

いつもおにぎりを持ってきていた私。

まーくんとも松木ともご飯なんて食べたことない。

「まじか。ずる」

私たちが先に食べるのが少し悔しいみたい。

< 139 / 489 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop