私を惚れさせて。私の虜になって。

それ、どういうことか、わかってんのかな…。

「美味いな！今度は俺のも持ってこい」

「え」

図々しい、尊敬するぐらいに。

「これ、やる」

「は？」

私に手渡した、カレー味ラーメン。

「毎日食ってたら飽きた」

「はぁ？」

自分で買ったくせにそれをわたしにおしつける。

「たまには違うのもいいもんなー？」

なんかそれらしいことを言いかながら、されるさりげなく私のおにぎりを奪おうとする。

「え、ちょ、やだよ？」