私を惚れさせて。私の虜になって。
「…遊ぶか」

ポツリとそういう。

「え?」

「勉強ばっかじゃつまんないだろ。ちょっと遊んで帰ろーぜ」

「いや、でも」

今は、勉強する時期だから。

誰にでも訪れるんだから、仕方ない。

「ちょっと!付き合えって!」

半ば強引に、私の手を引っ張る。

…手が繋がれてるんですけど。

まるでそこに心臓があるみたいに、

これじゃあ、松木にばれちゃうよ…。

< 146 / 489 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop