私を惚れさせて。私の虜になって。
「おばあちゃん、お昼も一緒にって言ってたから、多分友李ちゃんのが帰り早いと思う」

「おけ。分かった」

模試当日。

日曜だってのに制服なんか着て、玄関で送ってくれるお母さんと話してた。

「適当に冷食でも食べてて」

「うん」

そういや、松木がどっかで食べてから帰ろうぜって言ってた、

何てこと言ったらまた茶化されるから言わないけど。

「鍵持ったね?」

「うん」

「いってらっしゃーい。頑張って」

「おけ。任せとけ」

我ながら頼もしい言葉を吐いて家を出た。


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