私を惚れさせて。私の虜になって。
……土砂崩れってことはさ。

山の下が大変ってことだよね?

「ばかっ」

「へっ?」

つい他のことを考えていたら、はぐれそうになっていたらしい。

だからって、私の手を握った松木。

「何余計なこと考えてんだよ!」

「ご、ごめん」

人の流れに沿って、どこが体育館かもわからないのに行く。

「まー?」

「おう」

埋もれてしまう私たちを背の高い松木が気にかけてくれていた。

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