私を惚れさせて。私の虜になって。
「トイレ行きたい」

「…ん」

この中のたぶんみんなが寝静まって、私たちの声がやたらと響く。

「私も」

なんとなく、ただなんとなく、私もついていくことにする。

動いてないと、泣いてしまう。

「つか、起きてたのか?」

「え?なんで?」

「反応早かったから」

「…まぁね」

泣かないように、バレないように。

もう、迷惑なんて、掛けられないから。

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