私を惚れさせて。私の虜になって。
「何でだよ」

目なんて、合わせられない。

「逸らすなよ…」

そんな、情けない声を出して、

「泣きそうな顔してんなら、泣けばいいじゃん」

私を逸らさせないような、強い瞳でみられる。

「泣かないよ…?」

なんで今さら、強がってんだろう。

「ばーか。泣いてるぞ」

屈んで私と目線を合わせて、そっとまぶたを触る。

「泣いてないもん」

泣かない。耐えろよ。私。

泣いてたって、なんも、なんにも、変わらないの。

「下向くな」

また、顎を掴んで。

「何してもいいぞ」

私の前で、仁王立ちをする。

「……」

何しても、いいのね?

「…ばーか」

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