私を惚れさせて。私の虜になって。
「いつものすがちゃんは笑ってるって言ってみたり…泣けよって言ってみたり…へんなの」

思った以上に、弱音が出てこない。

「思う存分泣いた後でだ」

「もー…松木、どうなっても知らない」

ワイシャツがどうしようもできないほどにぐちょぐちょになっても、

叩かれすぎて、失神しても。

私のせいじゃ、ないんだからね。

「おう。任せとけ」

そう、胸を張るから、

それをどんっと叩いた。

松木は、ビクともしない。

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