私を惚れさせて。私の虜になって。
「ん」

まーくんは、お母さんと話をしている。

たまたま、まーくんのお母さんと、目があった。

その瞬間に、こっちに向かって駆け寄ってくる。

「えっ、あれは何事」

「……なんだろ…」

そのまま、私を抱きしめた。

「えっ、えっ、あの…?」

「友李ちゃん」

「…はい」

私の頭をポンポン撫でる。

「辛いね、辛かったね」

「…………」

まーくんは、どこまで話したんだろう。

みんな、死んじゃったとこまで?

それとも、

「あっ、友李いたっ」

だれも、家族じゃないところまで?

「探したわよっ。もうっ!!」

まーくんママに離してもらって、声の方を向く。

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