私を惚れさせて。私の虜になって。
「おかえりーっ」

明るく、私を迎えてくれる。

涙が溢れそうだ。

「解決した?」

「まぁ」

してないかも、知れない。

「帰ろ」

私がそう言うと、

「帰るかぁー」

まーくんが伸びをして立つ。

まーくんママも、一緒に。

「お腹、空いてない?」

「俺空いた。死にそう」

お母さんの言葉に1番に反応するのは、息子だ。

「俺も空いたー」

お腹、か。

空いたような、空いてないような。

食べる気になるのか、わかんない。

「すがちゃんは?」

「…わかんない」

「そう。じゃあ、3人で何か食べてから帰って来なさい」

5千円札をまーくんに渡す。

「お母さんには、伝えとくね」

「ありがとうございます」

松木にそう伝えたまーくんママは

そのまま、改札口に吸い込まれていった。


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