私を惚れさせて。私の虜になって。
「あっ…っ!」

外に出た瞬間、

松木が見えた瞬間に視界がぐらついて、気がつけば多目的トイレの中。

松木が、私を追い詰める。

これが、世に言う壁ドンだろうか。

「なぁ、」

「……ん」

「……んでもねぇ。こっち見ろ」

顎を上げて、目が合う。

さっき自分でも見たクマを撫でられる。

「どこにも、いかねぇよな」

「分かん ない。家売るって言われた」

「なんだよっ……」

「んっ………」

あたり散らすような、乱暴なキス。


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