私を惚れさせて。私の虜になって。
歩いて15分。

遠いぐらいの道のりなのに、2人は文句も言わずに。

むしろ、楽しそうに話しをしている。

「あとどんくらい?」

「んー、もう少し」

この坂を登って、

右に曲がれば。

何も変わらない、家がある。

………はずなんだけど。

人が、がやがやとたくさんいる。

「誰?」

まーくんは、そう聞く。

「近所の人が噂聞いて押しかけたとかじゃねぇの?」

松木は、そういう。

「…ううん。違う」

だって、ご近所はみんな、年配だった。



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