私を惚れさせて。私の虜になって。
なのに、ここにいる人は、みんな中年の人たち。

あからさまに、違う。

「あっ!友李」

そのうちの1人が私に気がついて、

「来たよー!荷物友持ってきてー!」

何てことを、叫んだ。

しばらくして来た、3箱の段ボール。

乱雑に、物が入っていて、しまってすらいない。

「……なんですか」

聞かなくたって、わかってるんだけど。

「なんですかって。あんたの荷物よ荷物。まとめてあげたのよ」

そうか。そうだよね。

「わざわざ、ありが…」

「ざけんなよてめぇら!」

穏便に済ませたい私を遮ったのは、松木だった。

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