私を惚れさせて。私の虜になって。
「計っとけ」

体温計を渡されて、

優しく布団を掛けてくれる。

「っしゃ!飯食って治せ〜」

まったく。

体温計らせてみたり、寝かせてみたり、

ご飯出してくれたり。

何から手をつけたらいいのかわかんないほど、いっぱいやってくれる。

「おかゆ?」

「おう」

「作ってくれたの?」

「そう」

「え、ホントに…」

ありがとうがいっぱいだよ。

「言っとくけど、俺の親のおかゆ鬼うまいから」

「鬼うまいってやばいね」

そうもしている間に、体温計が音を出す。

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