私を惚れさせて。私の虜になって。
「どうだ?」

「8度5分…」

「たっけぇ…」

よくも私、こんなんで外に出ようとしてたな…。

「ね、ねぇ、私ここにいて大丈夫?移らない?」

本当は、どこにも行きたくないけど。

でも、そんな我儘で移しちゃもっとダメ。

でも、やっぱ…

「気にすんな」

やっぱ、ここがいい。

「うん」

「あ、でもガチ勉するから、静かにな!」

「うん」

病人は、大人しく寝ていよう。

せっかく同じ部屋に、いれるんだから。

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