私を惚れさせて。私の虜になって。
だって、楽しいことがひとつもない。


楽しみなことでも、そのあとは絶望だらけで。


「ほいよ」


ドカンと、松木が隣に座った。


「やる」


まだ新品のレモンティー。


「…うん」


「やるから、元気出せ」


ぷしゅっという音を立てて、キャップが開く。


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