私を惚れさせて。私の虜になって。
「すがちゃん、今日で終わりなんだって?」


私の、隣に座る。

俊くんの逆隣には、松木が座る。


いつもの、授業の並びだね。



当たり前だった。


「そうなの。今までありがとね」


「いやいや。 こちらこそ」


「楽しかったなぁ!」


「そうだったな」


思い出話なんて、


もっと、先だと思ってた。

「高校は、どうすんの?」

「わかんない。今からでも間に合うのかな」


「そりゃあ、俺にもわかんないなぁ…。ごめんな」


「全然」


私のことだ。

遠いとこの話だ。

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