私を惚れさせて。私の虜になって。
「それは笑える」


「うんうん!その調子!あとさぁ、微妙にパンツ見えかかってんだよねお前の。どゆこと」


「まーくんならどうでもいいかなって」


まーくんは、そのままぷっと笑う。

「あと、携帯もベッドに置きっぱ。どゆこと」


「んー…色々あったんだねぇ」

「他人事だな!これもやるって親言ってるから、さっさと詰めてろ」

段ボールの隣にあった、大きなキャリーバッグ。

「や、こんな大層なもの、ねぇ」


さすがに、貰えない。


だって、お返しが出来ないもん。


「早くしろよ!俺下にいるからな!」


私を部屋の中に押し込んで、扉を閉めて、


階段を降りる音がやけに大きい。


「…ありがと」


まーくんには、届かないけど。


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