私を惚れさせて。私の虜になって。
「すがちゃんっっ……ハァハァ」


「…松木?」


いけないいけない。


涙は、ダメ。


「ばか!探しただろ!」


私の周りに散らばってるものを退かしてぎゅっと私を抱きしめる。


「体、冷たいよ」


まだ髪だって濡れている。


「部屋行ったらお前いねぇし、親に言っても知らないって言うし…」


「…ごめん」


「馬鹿野郎」


痛いぐらい、ぎゅって。


「ごめんってば…」


でも、そんぐらい、心配してくれたんだよね。

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