私を惚れさせて。私の虜になって。
黙々と、沈黙の中で片付けをする。
「なんだこれ」
小さくて、よれよれのミサンガ。
「あぁ、小さい時作った」
三つ編みもままならない、下手くそな。
「欲しい」
「え?いいけどそんな汚いの…」
貰っても意味ないよ。
「やった!付けとこー」
松木の腕にも、ギリギリ収まる。
「あはっ…」
松木の中に、私が残った。
なんか、嬉しい。
「そろそろ終わるな!」
「綺麗になった」
その代わり、時間が過ぎた。