私を惚れさせて。私の虜になって。
頃合いを見計らってか、まーくんが入ってきた。


「松木いたのかよ」


「気づかなかったのかよ!」


「テレビ見てた」


まーくんはもう眠たそうに欠伸をする。


「俺もう寝んぞー。消すぞ電気ー」


「じゃあ、かえるか」


私を見てくれて、


「帰ろ」


笑ってくれる。


「じゃあ、明日なー」


「おう。寝坊すんなよー」


「お前がな!」

まーくんが電気を消したのと同時に、部屋を出た。


まーくんのお母さんに玄関まで送ってもらって、2人で外に出る。


「ほい」

「…ん」


その瞬間に、手をつなぐんだ。


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