私を惚れさせて。私の虜になって。
「食わせてやる」


スプーンにご飯を乗せて私に向けた。


「普通、箸じゃない?」


「あーんはスプーンだろ!」


「そのために持ったきたの?」


「おう!」


「ばか?」


「いいから食え!」


ほら、と突きつけられる。


そっと、口を付けた。


「上手」


「ばかにしてんでしょー?」

もう、こうなったら。


「貸して!」


スプーン奪い取って、ご飯を乗せる。

「仕返し!」


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