私を惚れさせて。私の虜になって。
「ほんとに?」


「ほんとほんと。ちょっとメイクしていい?」


「はい」


よし!とまた喝を入れた松木のお母さんはポケットから大量のメイク道具をだした。


「やる気満々」


「黙りなさい」


ははって笑いながら、松木のお母さんはほんとに軽いメイクをしてくれた。


「ほら!断然可愛い!」


目の上にちょっとのキラキラと、マスカラとリップ。


「そろそろいい?」


ベッドに突如乗ってきた松木。


私の顔を覗き込む。


「はいはい。完成。たのしんでらっしゃい」


はぁ、とため息を吐いて、松木のお母さんは部屋の外に出た。


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