私を惚れさせて。私の虜になって。
「さっむ」
「んな」
この真冬に馬鹿みたいにびしょ濡れになって。
髪からポタポタと水滴が垂れる。
風邪ひいちゃうぐらいに、寒いけど、
そんなことどうでもいいぐらい、楽しいし、
何より、涙を隠してくれる。
「タオル、買おうか」
「気きくじゃん?」
「黙れガキ共」
俊くんの厚意で、近くのお土産やみたいな店でタオルを買った。
4人とも、お揃い。
「風邪引くなよ受験生〜!!」
松木とまーくんの頭を乱暴に拭いて、
私の頭に優しくタオルを乗せてくれた。