私を惚れさせて。私の虜になって。
「…うん」


また流れてきた涙を乱暴に拭って、上を向いて、笑ってみせた。


「そうそう!」


松木も、まーくんも、俊くんも、


私が笑ったら、みんな笑ってくれた。


「俊くん」


偉そうに胸を張った松木は。


「ん?」



「喉乾いた」


「ふっざけんなよお前!!」


俊くんが松木にとっかかって、2人で戯れて。


「がちでかいやつらがこんなんきもい」


こっそり言ったまーくん。


「情けない」


「ほんとな」


バカ達がまだふざけあってるのを見て、また、笑みが溢れた。

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