私を惚れさせて。私の虜になって。
「どっちかだって、言ってんだろ」
「無理、やだ。」
帰ろう。
帰ればいいんだ。
何も言わずに、踵を返した。
「待てよっ」
「…何」
松木はまた、私を抱きしめる。
「泣かないんなら話せ。誰にも言わないから。な?」
「話したって、松木に何にもならないから」
「いいんだよ。すがちゃんになんかあれば」
「何にもない」
絶対、絶対。
話さないよ。
「離して。塾戻るから。勉強したいの」
松木はそれでも、離さない。
「無理、やだ。」
帰ろう。
帰ればいいんだ。
何も言わずに、踵を返した。
「待てよっ」
「…何」
松木はまた、私を抱きしめる。
「泣かないんなら話せ。誰にも言わないから。な?」
「話したって、松木に何にもならないから」
「いいんだよ。すがちゃんになんかあれば」
「何にもない」
絶対、絶対。
話さないよ。
「離して。塾戻るから。勉強したいの」
松木はそれでも、離さない。