私を惚れさせて。私の虜になって。
「…うん」


でも、泣きたくなくても、涙は出てくる。


「ほら!乗って涙吹っ飛ばせ!」


ちょうど私たちの順番が来て、約束通りの並びで乗った。


「うんっ」


遠心力でどんどんみんな真ん中に寄っていくのに、


初めっからぎゅうぎゅうに詰めて乗る私たち。


「こりゃあ始まってから楽しみだな」



「潰れそう」



顔を見合わせて笑いあっていたら、アトラクションは出発した。


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