私を惚れさせて。私の虜になって。
「ここにしよー」


小さな、売店みたいなラーメン屋。


「すがちゃん、ここでいい?」


わざわざ、私に聞いてきちゃったりして。


「うん!」


「よーし、なに食うんだー?」


「俊くん金持ち〜!」


いよいよお金払うことに抵抗をなくした俊くんは、財布広げて列に並ぶ。


「俺味噌!」


「俺醤油」


「私も醤油」


「やっぱラーメンは醤油だよなー」


「んね〜」



「いや、味噌だろ」


「デブまーくん味噌大好き」


「うわー、黙れー」


「お前ら!頼むだけ頼んで俺に3つも4つも運ばせる気かよ!!!」


注文しながら怒り出す。


「がんばれよ俊」


「誰だよ俊って言ったの」


「俺〜」

「うわぁー!このヤロー」


もう自分すらラーメン忘れて、松木と走り回り出した。


「バカだな」


「バカだね」


まーくんと、大人しく、ラーメンを運んだ。


< 460 / 489 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop