私を惚れさせて。私の虜になって。
「…そーか」


手を緩めた松木。


本当は、嫌だけど。


そのままがいいけど。


でも、そんなこと、言えなくて。


最後でも、言えなくて。



「…しょーがないね」


だって、こういう運命だもん。


神様が、松木と私をどうしても離したいらしいから。


「ご飯、お腹すいた」


俊くんが買ってくれた、伸びきったラーメンに、箸を入れた。


「…俺らもくうか!」


「飯だー!」

みんな、ちゃんと座って、ラーメンをすすり出した。



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