私を惚れさせて。私の虜になって。
モリは、私を睨んできた。

徹底的に、嫌がらせをするつもりらしい。

まぁ、もう卒業なんだし、構わないけど。

「ただいまー」

だけど、大嫌いな場所が増えちゃった。

「おかえり」

こんなとこ、いやだ。

…いやだいやだいやだ!

居たくない!

自暴自棄になった私は、

「塾長に呼ばれてんだよね!塾行ってくる!」

カバンを投げ出して、いつかのようにジャージ姿で塾に向かった。

「友李ちゃんそんな慌てること…」

「いってきます」

お母さんの声も無視して。

自転車に飛び乗った。
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