私を惚れさせて。私の虜になって。
胸のぽっかりした穴を埋めるように、深呼吸をする。

それでも、穴は埋んなくて。

あー、もう!

「すがちゃん、」

イライラしてたところに、松木がやってきた。

「…何」

だめだよ。

「やっぱ、お前…」

だめ。

「なによ」

そんな態度とっちゃ。

「ため息なんかついちゃって」

「いいから。気にしないでよ。構わないでいいよ」

私なんか、どいでもいい。
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