私を惚れさせて。私の虜になって。
「だけど、深山なんて友李ちゃんには勿体無い。もっと上を目指せるはずでしょ?」

なんで。

「で、でもさ、もし、例えば、伊佐とか受けてさ、落ちちゃったらさ…」

私なんて、どうでもいいはずなのに。

「滑り止めっていうのが、あるじゃない」

私なんかに。

「滑り止めって、私立だよ?私立は…」

そんなに真剣になるの?

「さっき言ったでしょ。お金ならあるのよ」

お金、かけてくれるの?

「でも、私は…」

私は。

「ん?」

「お母さんの子じゃ、ないのに…」

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