私を惚れさせて。私の虜になって。
「…友李ちゃん、もしかして」

お母さんは目を見開く。

「今まで、そんなこと気にしてたの?」

「…せずにいられる?だって、私はお母さんとも優葉とも血繋がってなくて、私なんて、赤の他人で、ましてや…ましてや、お母さん、お父さんが出て行った時、あんな奴って言ったじゃん!忘れていいのって、忘れなきゃダメなのって、私と優葉に言ったじゃん!」

もう、でないとおもってた。

「お母さんが、忘れたい人の子供だよ?私は。なんで、育ててるの?ムカつかないの?あんな奴の血が、半分ここにあるんだよ?嫌じゃん…絶対。嫌に決まってんじゃん…」

だけど、まだ、枯れてなかったみたい。

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