私を惚れさせて。私の虜になって。


涙が、とまらない。

「友李ちゃん…、ごめんね」

向かいに座ってたお母さんは、私の隣に来る。

「何が」

お母さんは、悪いことなんてしてないよ。

「友李ちゃんが、こんなに悩んでたのに、気づけなくて」

私をぎゅっと抱きしめたお母さんは、

「友李ちゃんは、私の子供」

まるで、私を諭すかのようだ。

「違うよ」

「違くない。絶対に、違くない」

お母さんは、一呼吸置いて。

「私の子供は、私のお金を使う権利がある。だから、なーんにも気にしないで、友李ちゃんが、純粋に行きたい高校に行きなさい」

「……」
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