私を惚れさせて。私の虜になって。
「……」

私は、教室に入っても挨拶をしなくなった。

だって、誰も返してくれないし。

べつに、よくね?

「なぁ、菅原」

「…ん?」

久しぶりに、学校で喋った。

隣の席の男の子。

「松木、知ってるよな?」

「え、うん。なんで?」

「小学校の友達なんだけどさー。菅原と、塾一緒って聞いてて」

なんか、どうでもいいんだけど。

「で?」

こんなに冷たい私は、きっと可愛くない女の子だって、思われてるんだろうな。

「なんか、昨日メールの返信来なかったんだけど、なんか知ってる?」

「…あー」

説明すんの?めんどくさ。

なんか、せーちゃんもモリも、私を睨んでるんだけど。

だから、声さえ発したくないんだけど。

「なんかねー…何があったんだかは知らないけど、最近すこぶる機嫌が悪い」

「そうなんだ…」

「どうしても必要なことならメールでも電話でもしていいと思うけど、どうでもいいことなら、しないほうがいいかも」

「わかった。さんきゅ」

「ん」

会話が終わっても、2人は私を睨み続けてて。

ったく、私、そんなに悪いことしたかね?

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