私を惚れさせて。私の虜になって。
モリがダンっと、私の机を叩いた。

みんなが、こっちを見ている。

…なんだし。

「私、せーちゃんじゃないからわかんない」

「…あんたねぇ……!」

「え?何?私、間違ったこと言った?」

くだらないことで、何言ってんの。

「ほんっと、めんどくさ。今更喧嘩ふっかけてくる意味ある?」

別に、ハブってればいいじゃん。

「あれ?なんも言えない?じゃー、終わりね」

ばっかみたい。

こんなんで黙るんなら、来なきゃいいのに。

「すがちゃん、私、すがちゃんのこと、ほんっとに嫌い」

「そう」

私も。


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