私を惚れさせて。私の虜になって。
「や、私話しかけに行く気あんまないんだけど。話の内容すらないんだけど」

「なんでだよ!」

「あー、もう。はいはい。行きますよ、今度ね」

松木に聞こえないようにひそひそ話したあと、

「俺喉乾いた!」

元気よく、まーくんはそとに飛び出す。

逃げたいんだろうな、多分。

「いってらー」

私もそんなまーくんを見送った。

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