王子様の大奮闘【伝えたい想い・続編】
「雅人ー!!応援来たよ!!」
隣で大きな声で
呼び掛ける女の子。
誰にだって分かる。
きっとあいつの特別な子。
その声に反応して
あいつが。
雅人が
こっちに向かってきたんだ。
「葵ちゃん、行こう。」
俺の腕の中で顔をうずめる彼女は
今。
あいつとの距離が縮まってるコトを知らない。
知らせちゃいけない。
だって。
他の女の子に笑いかけてる
あいつを見たくないだろ?
だから
腕を引っ張った。
せめて傷が浅いままで済むように。
だけど。
「...葵??」
先に気付いたのは
あいつの方だったんだ。