王子様の大奮闘【伝えたい想い・続編】
何も言えなかった。
体が動かせなかった。
あなたを見ただけで
全身が心臓のように震えだした。
でも泣きたくはなかった。
せっかく笑顔でさよならしたのに。
だけど
他の女の子が雅人に触れてるのを見たら
涙がこらえれなくて。
もし
春樹先輩がいなかったら
私。
雅人の前で泣いてた。
「せんぱ...い...」
泣きじゃくる私を
先輩はただただ抱きしめてくれて
ずっとずっと側にいてくれた。
「俺が側にいるよ。」
時折聞こえる先輩の甘い声は
今にもわれそうな心を
つなぎとめてくれるような
そんな気がした。