ブラック王子と泣き虫彼女
「は…はい…」
ひきつる笑顔でニッコリ微笑みながら私は後ろを振り返った。
そこには同じくニッコリと微笑む学校の王子とその後ろで私を睨みつける女子軍団がいた。
「呼んだんだけど聞こえなかった?」
申し訳なさそうに聞く王子
「う、うん…ごめんね…?」
王子と目が離せず私はニッコリと微笑んだままそう応えた。
後ろで私を睨みつける女子達よりも私には恐ろしいものがあるのです……
このままならいっそ……女子にリンチされた方がまだマシだよ…。
「平木さん、先生が俺達のこと呼んでたよ?一緒に行こうよ」
王子はスマイルを崩さないまま私にそう言った。
「わっ、私…やる事あるから…早瀬くん先行っててよ…」
「え?やることって?」
…後ろの女子軍団には見えないだろう。
王子のこの笑顔が。
私にはどう見ても………
王子スマイルには見えないです……。