ブラック王子と泣き虫彼女
ブラック王子様
早瀬くんに連れて来られた場所は誰も使っていない校舎の3階の空き教室…。
ガラッ
「ん?平木さん、入らないの?」
早瀬くんはニッコリ笑ってそう言う。
「し、失礼しまぁ〜す…」
つられて笑う私。
……も、つかの間。
ピシャッ
ドアが閉まると一気に笑顔の消えた王子
「……なにあれ?」
一気に笑顔は消えて私を睨みつけながら言う早瀬くん……。
「えっ…と〜、あれと言いますと…?」
「は?もう忘れたの?バカなの?」
「なっ…!」
「俺が名前 呼んだのに無視するってなに?お前、いつからそんなえらくなったわけ?」
さっきまでの態度、オーラ、声のトーンまで低くなった早瀬くんは一気に早瀬様になっていた。
「いやっ…あれは聞こえなくて…」
「聞こえてねぇわけねぇだろ。お前 ビクってなってたからすぐわかるし嘘つくの下手」
「うっ…」
「俺の周りの女の前であんな引きつった顔してんじゃねぇよ。彼女なんだから」