バーベラ・・・魅了された男達
「「「え?」」」

他の3人が驚いた顔をする。

「だから、何もしてません。ただ………」

「「「ただ?」」」

「名前を聞かれたから、答えただけです」

そう、そうだよ。

私、名前しか言ってないもん。

「「「は?」」」

3人は、口を大きく開けたまま、樹を見た。

「それなのに、あなたは私の事をどう取り入ったのかと疑ってかかって、ほんといい気はしませんね………」

やっぱり人は自分を守るために他人を平気で傷付ける、イヤな生き物だよ。

「私、やっぱりやめておきます」

そう言って、席を立つ。

「ま、待って」

そう言って双子の茶髪に掴まれた腕。

「なんですか?
私の事、気に入らないなら、関わらないで下さい」

「あいつはそんなつもりで言ったんじゃ…」

「いいえ。貴方のご兄弟はそんなつもりで言ったんです。ご兄弟の目がそう言っていました」

私は、人の悪意の感情だけは敏感に感じ取るみたい。


「瑠奈、怒らないで。
悠陽(ユウヒ)は、俺の事を思っての行動だったんだよ」

今まで黙っていた樹が、私の目線に合わせて屈んでいた。
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