バーベラ・・・魅了された男達
「………っっ‼︎‼︎ 樹……」
気付いたら、頭を撫でられていた。
「瑠奈、俺の仲間がごめんね。悪い奴らじゃないだんよ」
頭を撫でられながら聞く樹の声は、私の気持ちを穏やかにしてくれた。
「大丈夫。気にしないで。こういうの慣れてるから……」
他人からの悪意や、軽蔑の視線を向けられることには慣れてしまっている。
「そんなの慣れちゃダメだよ」
樹の悲しそうな顔が頭に残った。
その場にいるのが辛くなって来て、ひびの元に戻った。
「瑠奈?逃げちゃダメだよ」
ひびは、どうして戻って来たのか分かっているんだ。
「私に悪意を向ける人とは一緒に居たくないよ……」
「あいつら、望んで無くても、女が寄ってくるからな……」
「私から寄って行ったんじゃないよ……」
「そりゃそうだ。今回は悠陽が悪いな。でも、戻ってきたとこ悪いんたけど、料理、運んでくれる?」
ひびのお店を手伝うって言ったんだし、そこはしなきゃだよね……
「………分かった。でも彼らの相手はしないよ」
「うん。それでもいいよ」
ひびは苦笑しはがらもお料理を渡してきた。