バーベラ・・・魅了された男達
瑠奈を見ると、拓海は瑠奈に近寄っていく。

「響、悪いけどそこのベッドに寝かせてくれる?」

「わかった」

そっとベッドに横たわらせる響。

「俺が瑠奈を診るの久しぶりだな……
今迄大丈夫だったのかな……」

そんな事を言いながらも、体温計を挟み、素早く診察していく拓海。

ピピ、ピピ、ピピ

体温計を抜いて、診察を終えると俺たちに向き直る拓海。

「瑠奈と会うのは2人とも久しぶり?」

唐突に聞いてくる拓海。

「今日、いつもの大散策したみたいで、俺らの街にやって来てたんだ。
今、瑠奈が住んでるところからは大分距離あるよ」

響が答える。

「俺も、親父から瑠奈が響の店にいるって聞いて会ったくらいだよ」

俺も答えると、少し難しい顔をした拓海。

「そっか……2人とも以前の瑠奈の健康状態知ってるよな?」

「貧血と栄養失調、不眠症…」

「そ、正解。そんな状態の子が、俺たちに会わない間、元気でいたと思う?」

「「……いや」」

「だよな……何処かの病院に掛かってたらいいんだけど……」

「瑠奈、束縛されるの苦手だから、気を抜くと、すぐ居なくなっちゃうんだよな……」
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