バーベラ・・・魅了された男達

「いらっしゃい…………って、瑠奈か?」

「???…………」

どこかで見たことある顔……

茶髪のゆるいパーマ。猫目……


「え?もしかして、ひび?」

「そうそう、響(ヒビキ)。
瑠奈、こんなとこに来てどうした?
いつもの大規模散策か?」


私はよく、時間が空くと散歩に出かける。

この散歩の行く先が遠すぎて、住んでいる場所に帰れなくなることがしばしばある。


知り合いの人達はこの散歩のことを
『大規模散策』
って呼んでるみたい。

「ふふ。フラッと来ちゃった。
ここ、ひびのお店?」

「そうだよ。よくこんなとこ見つけれたな……」


ひびに言われて思い返す。

そういえばこのお店、路地裏にあった気がする。


「ひびに呼ばれたのかもね」

微笑んで言うと

「///………瑠奈の笑顔は相変わらず健在だな」

ひびは、頬を赤く染めていた。



ひびとの出会いは、直くんの知り合いだとかで、直くんのお家で出会ったんだ。

あの頃の私は、まだ1人になったばかりで、世間の事を色々知らなくて、大人はみんな親戚の人達みたいに冷たくて怖い人だという認識があった………

怖がる私に根気よく付き合ってくれたのが、直くんと、この喫茶店のマスターのひび。

当時は喫茶店のマスターだなんて知らなかったけど・・・
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