バーベラ・・・魅了された男達
数日すると熱が下がってきた。

もう体調も戻ってきたし、さっさと退院しないと……

病院にいい思い出がないから、あまり長くは居たくない。

ガラッ

「瑠奈、熱下がってきたな」

そう言いながら入ってきたのはたっくん。

「うん。もう平気だから退院する」

「瑠奈は病院苦手だもんな」

「出きることなら行きたくないしね」

私の言葉に苦笑いするたっくん。

「ま、また体調不良になったら強制受診してもらうけどなら」

たっくんの怖い一言に背筋がブルッと震えた。

「気をつけます…」

「まぁ、今は響の側にいるし、大丈夫だろ」

「ひびも、たっくんみたいに鋭いからね、騙すの大変……」

「はは、俺や響や裕樹はきっと騙せないよ。俺たちは見抜くの得意だからな」

そんな事言われたら、誰も騙せないじゃん……

「………はぁ」

「ま、瑠奈の周りの大人は手強いって事だな。まずはしっかりメシ食べろよ」

「………うん」

「そこは響が見てくれるだろうから安心だけどな」

たっくんはひびの事を信用してるんだな……

こういうのが仲間ってやつなのかな……


私には分からないけど……
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