死にたがりカップルが未成年で夫婦になった話
元々社交的な性格じゃなくて、寧ろおとなしい方だと思う。
それがどういうわけかクラスでも特に目立つ女の子グループにいた。
無理はしていなかったし、信頼もしていたし、一番仲のいい友達だと思っていた。
その中に私よりも、もっと控えめなおとなしい性格の瑞穂という子がいた。
瑞穂は唯一小学生のころからの友達だった。
「最近さ、瑞穂全然楽しくなさそうだよね」
そんな一人の些細な言葉がきっかけで瑞穂はグループから仲間はずれにされるようになった。
私には止める力もなかった。申し訳無い気持ちもあった。
それでも、瑞穂を救うことが出来ずみんなに合わせてあまり接さないようになった。
そして瑞穂はあっさりとグループを抜けてしまった。
話し合いには参加しなかった。対立するのが怖くて、私はめんどくさいことから逃げた。
きっとその罰がやって来たんだと思う。
数カ月もしたら瑞穂の受けた仕打ちが私に回って来た。
それだけのことだったのに。
「春って、すぐ人に合わせるよね」
その一言から始まった無視から私は潔くみんなの元から離れればよかったのに。
私はみんなと離れるのが嫌で駄々を捏ねた。
ただただ私は昔から変わらずみんなが好きで、みんなと離れたくなくて、その一心だった。
それでも私の気持ちは一方通行で、みんなの不信感は募る一方だった。